「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を読んで

こんにちは。


暇な日常を送っていますが、更新は相変わらす不定期です。


前回、インブリーディングについて書きます、と言って締めくくったと記憶しています。


しかしながら、インブリーディングについて書く気力を失ってしまったので(正確にはそれ以上に書きたい内容ができたので)、今回は別の話題に触れたいと思います。


つい先ほど、新井紀子 著、「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を読了したので、感想を述べるとともに、私自身の未来への展望を書こうと思います。

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新井紀子 著 「AI vs 教科書が読めない子どもたち」 (「東洋経済」出版)

 


1. シンギュラリティは到来しない


この本で衝撃的だったのが、「シンギュラリティは来ない」という事実でした。
私はこれまで、シンギュラリティは避けられない未来だとばかり思っていましたが、どうもそうではないようです。
その理由は非常に簡単で、「シンギュラリティが今のAIの延長線上に存在しないから」だそうです。そういえば、大学の実習で放射線科を回った際に受けたAIに関する講義で、人工知能レベル4と5は同一線上にはないので、レベル5が誕生する未来は来ないかもしれない。」と先生が仰っていたのを思い出しました。当時は「ふーん」としか思っていませんでしたが、本書を読んでやっと腹落ちしました。


どうして、こんなに単純なことすら知らずに、シンギュラリティが現実化する未来を今まで信じていたのでしょう。


本書によれば、メディアによる情報操作のせいだそうです。もはやお馴染み(笑)になった、メディアによる大衆心理操作ですが、それを行なっているのがまさに「教科書が読めない子ども」だった大人たちなのだそう。タイトル回収が上手すぎませんか笑

 


2. AI人間に溢れた現代
 
本書の後半は、全国の中高生を対象に「基礎的読解力」を調査するための試験、通称RST(リーディングスキルテスト)を施行し、その正答率がAIと比較してどうだ、という内容を主軸に、著者の仮説と未来への展望を展開するという構成になっています。


本書の意味深なタイトル宜しく、現代の中高生はAIレベルであるという結論が、確かなデータをもって我々に突きつけられ、非常に考えさせられる内容となっていました。


特に印象的だったのが、(思わず声が出てしまったのですが)、教科書の読めない子どもの中に、「学」から始まる熟語を全て「学校」と読んでしまう子がいて、「なぜ何もかも『学校』と読んでしまうの?」とその子に問うと、「そのほうがよく当たるから。」と答えた、という話です。


このエピソードには、思い当たる節があり過ぎました。私には6個下の妹がいるのですが、その妹はあまり勉強ができるタイプではなく、理解力もどちらかというと悪い方です。そんな妹に勉強を教えていると、高頻度でこの「そのほうがよく当たるから」理論を展開されることが多いのです。
「考えることを放棄するな。」と叱咤しつつ、1から丁寧に教えようとしたのですが、一度放棄した思考はなかなか取り戻しにくく、教えるのにも非常に苦労を要しました。これぞまさに、AI人間製造機としての日本教の弊害でしょう。「脱個性教育」を推進していた戦後の日本の教育は、もはやオワコンを通り越して、「公害」と呼ぶに相応しい程に落ちぶれてしまったのでしょう。

 


3. 新たな時代の幕開け


「受け身の学び」に慣れてしまうことは、人間にとって何よりも毒になり得ると私は思っています。決して「昭和の教育が悪かった」ということを啓蒙したいのではなく、常に現状に疑問をもつ癖を付けさせるべきだと思うのです。


物事には必ず二面性があって、そのどちらを「善」とするかは自分自身です。その一方だけを他人から押し付けられていることに疑問をもつべきだと思います。


今後の日本を良くしていくためには、国民一人ひとりが、自分を主軸として思考できる存在になるべきでしょう。民主政治の皮を被った我が国の"利権政治" "衆愚政治"を打開するためには、我々一人ひとりが「変数」的な存在とならなければなりません。「変数」とならなければ、主導者が思うがままに政治を動かし、国民はこれに振り回されることになります。主導者の思い描く「解」を否定できるのは、主権者である我々 "変数としての" 国民だけです。


私の読者の皆さんも、是非、日本の将来のためになる学びや仕事を見つけて、自己を貫いて欲しいと願っています。かくいう私はというと、まだその入り口に立っただけに過ぎない、愚かな1人の人間ですが、少しでも理想の自分に近づけるようになりたいと日々思っています。

 


少し自己主張が強くなり過ぎました。申し訳ありません。。
本当は次回の記事に、「進撃の巨人を最新話まで一気見した感想」と一緒に書こうと思っていたのですが、熱が入り過ぎました。。


次回はちょっと軽めの内容を書こうと思ってます。


それでは、また。