語彙力道場002

虚往実帰(きょおうじっき)

師などから無形の感化や徳化を受けるたとえ。行くときは何も分からずに空っぽの心で行って、帰るときには充実して、十分に満足している意から。

 

コメント:「独学」において、その道を知り尽くした「師」は存在しない。川喜田二郎先生は著書「発想法」において、「研究探検」を「内省」→「思いだし」→「間接情報探検」→「直接情報探検」と細分化している。目的なき探検こそ避けるべきである、という教訓のもと、我々科学研究者たちに取るべき態度を明確に提示している。

 

 

新しい酒は新しい革袋に盛れ

新しい思想内容を表現するためには、新しい様式を必要とする。いつまでも古い形式にばかりこだわっていてはならないというたとえ。新約聖書より。

 

コメント:イノベーションには、この思想は不可欠であろう。ただ、ここでいう「新しさ」とは変化や最適化を意味するのであって、完全なるオリジナリティにこだわる必要はない。歴史から学び、復古的創出を行うのも手である。賢者は歴史から学ぶとも言うように、オリジナリティに固執して、本質を見失うことのないようにしたい。